小説の読み方

『現代小説の解剖』をアップしました

「小説の書き方」としても読める私的小説論、『現代小説の解剖』をアップしました。 novelup.plus 全四章で、主に現代ネット小説を生み出す土壌となったメディアを分類し、さらに一般小説の源流についてもざっと見ていくという構成になっています。これから…

ここまでのまとめ

ここまでで、ある程度は小説というものについて考えられたかと思います。思弁的であろうとストーリーがなかろうと、主に具体性を持った物語であれば、多くの人が小説と呼んでいるものになるだろうということです。 そして、その具体性こそが我々を感動させる…

正確にドラマの背景を読み取る

多くの異論はあるでしょうが、小説はやはり基本的にはドラマを語ることに重きをおいています。ごく個人的なことを書くにしても、背後にあるのはキャラクターたちが舞台で躍動するドラマ性です。 ナボコフが文学講義において生徒たちに課題としたのは、ドラマ…

難しい小説?

前回からの続きになります。 s-mizuki.hatenablog.com 今回からは、小説で自分の「好き」を発見するには、どうしたらいいのか? です。 結論から言ってしまえば、数を読んでみてその中から共通項を発見する、という作業になるわけですが、小説というのも数を…

小説と内面の理解

『ノベルアップ+』という投稿サイトがはじまりました。 こちらで小説を書いております。 作品はこちら。 novelup.plus さて、先日このような日記をアップしましたが……。 s-mizuki.hatenablog.com ここで「作家がライフスタイルをまるごと提供することによっ…

動員の言葉

ときどき小説の読み方について書いている本ブログ、今回は前々から言っていた「動員の言葉」について書こうかと思っています。 「動員」とは、狭義には「戦争のために人員を組織化すること」を指しますが、現在では「ある方向へ多数の人や物を集めて動かすこ…

小説サイト乱立時代とこれから

小説投稿のサイトが増え、世間(というか主に運営側)で叫ばれることは「死にかけた出版業界の再生を」や「異世界転生ばかりではない小説の多様性を」等なのですが、それに全面的に賛成している人は少数であろうことは市場が証明しています。たとえ「ユーザ…

好きなことを選んでいるのに孤立してしまうこと

久しぶりの更新になってしまったのは、小説を書いていたからで、まぁ本業といえば本業なのですが、合間にまた文章を書いているのは、不思議な感覚があります。 それはそれとして、ネット配信の興行収入が映画館を抜いたそうで、隔世の感があります。劇場で見…

小説の読み そのさん

小説が読めたからといって何になるのか? ある程度読める人間に聞けば「それは趣味に過ぎない」という結論が驚くほど速く出てくることでしょう。実際、ここで紹介した小説の読みは、小説が構築する世界を鑑賞するというものですから、それができようとできま…

小説の読み そのに

前回からの続きになります。“教訓読み”ができた上で到達する次の段階の読み方、という話です。 実は、人間は日常会話や、メール等での文章コミュニケーションにおいて、ある程度までなら状況を優先して話を読み取っています。そこにかなりの違和感がない限り…

小説の読み そのいち

先だっての日記が少しヒット数が多かったので、気を良くして続きでも書くかと思い立ったものの、前回の話はいわば終着点みたいなものであり、そこから先はこれからずっと考えていかねばならないことだったと気づいた次第です。 そんなわけで、それより前段階…