『帝立愚連隊』電子書籍化!

 『帝立愚連隊』が電子書籍化! 本作は分類するならば伝奇アクションとなります。歴史モノ的な体裁で、実在の人物っぽいキャラクターを配し、魔術だ剣戟だと好き勝手やるジャンルです。本当に伝奇アクションがそういうものかは異論あるとは思いますが、これはそういう作品です。

 

帝立愚連隊

帝立愚連隊

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 2006年に竹書房Z文庫より発売された作品で、背景は大正時代。大量に異形の武器をかついだメイドから武器を供給されつつ戦う美女剣士やら、ガン=カタっぽい合気銃術の使い手やら、ロボに命令できる美少女やらが、クロウリーっぽい魔術師とか北一輝っぽい怪人とかと戦っております。好きなものを一冊に詰め込む物量で勝負したといえるでしょう。

 「なぜそうしたかは自分でもわからないが面白いと思ってやってしまい、なぜか周囲からダメだろうと言われる」部分としては、ヒロインの出自やら参照した歴史上の人物やらがあるわけですが、当時も今も「まぁ、わかってくれる人しか読まないマイナー系だから」という心持ちでおり、さらに言えば、今でも特に問題があるとは思っていない、という部分も多分にあります。当時読んでくれた方、読み直してくださる方、これから読もうと買ってくれた方は、選ばれた者であると胸を張っていただきたく思います。

 キャラクターデザイン、挿絵はありがひとし先生。ご快諾いただき、イラストは当時のものに加筆、当時のデザイン画もボーナス収録。皆様、お買い上げの上、是非ともご覧くださいませ。
 さらにはX上で告知、宣伝新規イラストまでいただいております。こちらも是非に。

 

 

 ありがひとし先生、拙作のことを気にかけていただき、本当にありがとうございました。

 なお続刊はレーベル自体の早期撤退につき果たせておりません。裏事情は語れませんが、執筆は進められており、冒頭部分のファイルが残っておりました。合気道の開祖っぽい人がライフルの銃弾の軌道が事前に見えて回避できた瞬間が書かれておりました。さらには出口王仁三郎っぽい人を登場させようとしていた様子が伺えます。大陸編が予定されていた模様です。

 読もう! 『帝立愚連隊』!

『すてるがかち! たましいの反抗記』電子書籍化!

 電子書籍の告知でございます! 本作はなんというか、自分で言うのもなんですが問題作というか、ある種とんでもない作品でして、書いた時にどうかしていたと弁明したくなる小説です。

 

 

 2006年に富士見ミステリー文庫で発売された作品で、あらすじは正統派巨大学園美少女アドベンチャーとなっておりますし、それも間違いではないのですが、なにぶん全体が有名作品のパロディとなっております。しかもそれを一言も告げずにツッコミも不在のまま大真面目にストーリーが展開されます。時代が成し遂げた遺産というか徒花というか、自称するのは恥ずかしいものの立派な奇書だと思います。

 もちろん学園ファンタジーとしてさらっと読めますし、今読み返しても普通に娯楽作品です。ただし書く理由があったかというと「さぁ……?」と言わざるを得ません。それでも各所のセリフやディテールについては「おっ、いいんじゃない?」という箇所もありますので、そこは素直にお楽しみくださいませ。

 ともあれ電子書籍告知の度に言っていますが歴史資料的な価値はあるかと思います。「あの時代は許されてたんだねぇ……」という読み方で良いので買って読んでいただけると様々な意味でネタにはなるのではないでしょうか。

 尚、あとがきは当時のものとなっておりますが、イラストにつきましては収録されておりません。ご承知の上お買い上げください。表紙イラストはろどり様に描き下ろしていただきました。実に愛らしく、自然に、あのポーズになっており素晴らしいですね。この表紙を電子書籍リーダーに表示するためにご課金くださいませ!

『心霊系ライトノベル執筆中に起きた怪異とその他の怪談』

 先日、電子書籍『心霊系ライトノベル執筆中に起きた怪異とその他の怪談』が配信になりました。

 本作は、いわゆる怪談本ですが、心霊モキュメンタリー的な要素も含まれており、古くからの怪談ファンと今まさに心霊系怪談を楽しまれている方におすすめの内容となっております。

 というのも、『ちょコワ、いかがでしょう? ほんとにあった、ちょいコワ奇譚集』という2009年に富士見書房より出版のライトノベルの改題作品となっており、自分で言うのもおこがましいところがあるのですが、心霊怪談本としては、ある種歴史的なトピックとなった一冊だと自負しているからです。

 そのため心霊モキュメンタリーとしての作りは心霊探偵風のものであり、背景を想像させる昨今流行のものではないのですが、当時のライトノベル的なストーリーで構築されており、そちらの感覚でも楽しんでいただけるものと思います。

 再読したところ、怪談業界の蓄積の結果、収録されている怪談は古くなったり飽きられたということもなく、意外にすんなり怖がれるものとなっております。その手の業界人より取材した裏話や、身内や友人から聞いた本当の実体験も含まれておりますので、そちらは当然新鮮に感じられるものでした。

 電子書籍版では、タイトル変更の他、イラストレーターの中条花月様が残念ながら廃業されているということで表紙変更、電子版あとがきが新規に書き下ろされています。

 怪談本の歴史のひとつとしても、現代怪談本としてもお楽しみいただける一冊ですので、その筋のファンの方は是非お買い上げくださいませ!

『LOST MOMENT』電子書籍化!

 『LOST MOMENT』電子書籍化です! 先日の『ハーフダラーを探して』に続きのリリースです。あわせてお読みください!

 本作は現実とは違い日本が消滅した二十世紀における超能力バトル&スパイ合戦となっております。世界的な陰謀に巻き込まれた少年が能力を得て欧州を舞台に駆け回る王道の少年熱血冒険アクションです。

 本文、あとがきは当時のまま。表紙は石狩シモ様に描き下ろしていただきました。少年熱血アクションらしい素晴らしいイラストを目印にお買い上げください。挿絵はRURU様に連絡がとれず残念ながら未収録となってしまいました。電子でお買い上げいただき、お気に召しましたら古本でお探しいただければと思います。 

 当時の少年誌的ノリや往時の冒険小説の雰囲気をお楽しみいただけることと思います。買ってね!

 

 

 

『ハーフダラーを探して』電子書籍化!

 私の過去作『ハーフダラーを探して』が電子書籍化されました!

 『東京タブロイド』同様、富士見ミステリー文庫で書かせていただいた作品でして、コンゲームとかケイパーものと呼ばれるタイプになっております。つまり詐欺師が悪人から金を巻き上げるってヤツですね。

 この頃はライトノベルが数多く出ていまして、ジャンルとして固まりつつある気配がありました。ジャンルとはいえそれは漫画っぽい空気感みたいなものと認識されていまして、ストーリーやジャンルはむしろ自由という有り難い風潮もありました。ライトノベルは、キャラクターが立っていて掛け合いがイケててちょっと非現実的な空気感があれば好きなものをやってもいいという作家にとっての実験場であり、世間にあまりないものを生み出す自由な空間だったわけです。

 そんなわけでヤング・アダルトのコンゲーム誕生と相成りました。全体の軽さとミステリーっぽいトリック、それと相反する変な深刻さに当時を感じていただければ幸いです。2000年代の頃の空気満載となっております。当時は社会派だったり露悪的だったり暴力的だったりしたんですよ。当時を知る方は懐かしさを、お若い方は時代のズレを楽しんで欲しいところです。

 本作は三巻終了。つまり3部作となっています。完全打ち切りのようにブツッと終わるものではないですが、ラストに『人間の証明』とか『太陽にほえろ!』とかそっち系の終わり方を感じていただけるようになっています。

 素晴らしいユキヲ様の表紙、挿絵とも収録されております。現在のファンの方には気になるところかと思いますので、是非ともお買い上げの方、よろしくお願いいたします!

 読んでください!

 

 

 

 

左派陰謀論について

 昨年末に書いた「書評家や人文系の学者への忌避感」ということについて早速触れていこうかと思います。

 

どんな現状だと考えているか

 「実際そんな忌避感あるの?」とか「いわゆるネトウヨとパヨクの罵り合いの一貫でしょ?」という意見もあるとは思いますが、証拠をあげていくと個人名を出してしまうことになるので微妙な書き方にはなるものの、具体的には「中国には軍事的には勝てないのだから逆らってはいけない」という論を唱えている学者、草津市長の冤罪事件に加担し事実が明らかになっても謝罪しない学者、反排外主義と反右派思想が行き過ぎて日々悪罵の言葉しか発しなくなった評論家、そしてそのような人々の論を拡散する多くの学者、批評家、作家たちが存在することが知られています。

 彼らの論を拡散する賛同者たちは、この件に触れる者をネトウヨとレッテル貼りする戦略を行い、それはそれなりの成功を収めています。それによりネトウヨとされる論者は、その活動のほとんどを例示したような人々の誤りや偏向を指摘することに費やしており、彼らと同類とされることは人格的に好ましくないと感じてしまうこと、さらにはそれらがよくある文句に過ぎないという印象を持ってしまうことに繋がっています。「いわゆるネトウヨとパヨクの罵り合いの一貫」に貶められてしまう構造が完成しているわけです。

 一方、学者や批評家は背景に権威を持っており、その権威を使いこなす術を内面化しています。彼らは、野蛮でなく文明的、下品でなく洗練、知的な振る舞いを身に着けていると周囲から見られている。さらにはそれを利用して真逆の行いをしても非難されないことを内心で知っています。その結果が異常な振る舞いを容認し、権威を大切にしてきた人々からも疑いの目を向けられているのが昨今の状況であると私は見ています。

 

左派陰謀論を定義していく必要がありそう

 とはいえ、それはまだ疑いの目に過ぎません。学者や批評家、つまりは人文系著述業者が行う異常な主張は、他の業種であればいわゆるキャンセル(職を失う)に値するものであっても公的には批判すらされていませんし、政党議員、あるいはアドバイザーとして異常な主張を持ち込んでも、陰謀論、排外主義が政党に持ち込まれた際ほどには問題視されません。

 そこで、ここではその「異常な主張」を取り上げ、それらがいわゆる陰謀論と扱われるべきであるという話をしておこうと思います。

 

現在主流の陰謀論定義

 陰謀論の定義は2013年のアメリカでの研究『一般的陰謀論者信念尺度(CGBS)』及び『陰謀論的心性質問票(CMS)』によって尺度が測れるものとされることが多いですが、CGBSは陰謀論の事例をもとに信じるか信じないかを回答する形式であるため、アメリカでは信じるものの多い宇宙人と政府の関係というものも主要な項目に含まれており、日本ではCMSが採用されることが多いようです。

『陰謀論的心性質問票』は、1:極秘の事案 2:隠された動機 3:厳重な監視 4:秘密活動 5:秘密組織 の五項目について、「そう思う」から「そう思わない」の五段階で回答していくもので、それぞれの内容はこのようなものです(英語から私が意訳)。

  1. 一般人には秘匿されている事件が世界では数多く起きている
  2. 政府は通常その行動の真の動機を隠すものである
  3. 政府は一般市民を厳重に監視している
  4. 無関係に見える事件であっても秘密裏に行われた活動により裏では関連していることが多い
  5. 政治決定に大きな影響を与える秘密組織が存在する

 これはご覧の通り政治系の質問に偏っています。ただし、これは心性傾向について調査するものであり、具体的に陰謀論を信じているかどうかは別の調査を行う必要があることに留意する必要があります。現状では各国で行われた調査で具体的な陰謀論信念を持っていることとの相関関係が認められています。

 

左派陰謀論の実例

 左派陰謀論は観測する限りでは次のようなものがあるでしょう(左派ポピュリズム政党とその支持者の発言より)。

  • 日本の現政府は戦争をしたがっている
  • 福島の原発事故関連において拡散された放射能量は相当なものになるが隠蔽されている
  • 統一教会は自民党に対し強い影響力を持っている
  • 日本における女性差別は悪化し続けている
  • 財務省は国民からの搾取のみを考えている

 取り上げたものだけでもCMSのかなりの項目に対して合致することがわかります。さらにこれらは、「科学への信頼を毀損する」「過激かつ非合法な政治活動を動機づける」「公共における相互信頼を破壊する」という意味合いにおいても、代表的な右派陰謀論と同列に扱うべきものです。

 

陰謀でなく実在だという意見について

 上記の左派陰謀論について「自分が信じるこの論だけは事実なので遺憾」と思う方もおられるでしょうし、「なぜ女性差別がわざわざ取り上げられているのか」と憤る方もおられるでしょうが、あえて言えば「陰謀が本当だったとしても、それに対する行動が正常ではない」ことで陰謀論と呼ばれることは強く認識しておかなければならないでしょう。

 陰謀が進行していたとして、それを知った時にするべきことは、知り得た極秘情報を拡散したり、反対意見を持つものを罵倒したり、大っぴらに世相への抵抗をアピールすることではないはずです。

 「無知な大衆に真実を教えてやる」「権力に無抵抗な市民と自分は違う」という意識がそこにあれば、それは陰謀が事実であっても陰謀論と扱われることは間違いありません。

 

左派陰謀論の特色

 これまでのことを踏まえて、左派陰謀論を見てみれば、事実ではあるがすでに解決済みか単にマイナーな事象を政権に結びつけているものが主流であることがわかります。統一教会が与党に影響力があったとしても限定的なものでしょうし、同じ構造の公明党を陰謀論として取り上げているのは主に右派です。これは党派性がそうさせたのではなく、公明党と創価学会の関係はすでに世間一般に周知されているからという面が大きいでしょう。左派陰謀論は「無知な大衆に教えてやる」という側面で成立しているのです。

 事実であるがゆえに陰謀論とは扱われていない米軍基地問題や、男女差別への反対、原発建造反対などについても、根底にあるものは同様で、そのため活動も「科学への信頼を毀損する」「過激かつ非合法な政治活動を動機づける」「公共における相互信頼を破壊する」ものとなっていると何度でも繰り返す必要があります。

 また、無知な大衆への反発は欧米イデオロギーへの反対に結びつきやすく、人文系の著名人が自ら考えて発言した結果、ロシアや中国のプロパガンダと同一のことを主張していることも特徴のひとつとしてあげられます。この主張は右派陰謀論と同一であり、やはりここでも右派陰謀論と区別するべきではないという結論になります。

 

左派陰謀論を遠ざける

 しかし右派陰謀論と違い、左派陰謀論はオカルト色がほぼなく、反米や反ファシズム、反軍拡、反独裁など一般的な人々なら抱いているイデオロギーを後押しするものがほとんどで、その主張をしている知識人たちも、異常な態度に至るまではひとかどの人物と見られていました。現役の新聞記者や主要テレビ局の報道局の現役局員にも左派陰謀論者は見られます。となると、一般人としては、現状で事実と違う認定がされている論を主張しているものでないなら、左派陰謀論を見分ける方法はありません。

 新規な左派陰謀論を避けるためには、残念ながら属人的判断をする他にないことになります。左派陰謀論に陥りがちな心性を主張者が持っているかどうかで判断する。つまり「無知な大衆に教えてやるという態度」を普段からしている人の論をある程度切り捨てる。他には「政治的論争を普段からしがちである」とか「政敵を普段から探しており相手の失言をあげつらう準備をしている」等の要素もあるでしょうか。

 左派陰謀論に陥りがちな心性がウォッチャーには容易に判別できる以上、左派陰謀論者とその周辺に敵対的でないアンケートを行い、そのデータに沿って日本版の『陰謀論的心性質問票(CMS)』を作り直すことであるのは明らかです。そしてそれは人文系、しかも一般には嫌われている社会学系アカデミアにしかできないことです。それが機能することがわかれば、左派陰謀論から人文系知識人を遠ざけることにも繋がるはずです。

 

陰謀論ウォッチャーにとっての課題

 しかし、ここまで見てきた構造は陰謀論を告発し、否定する側にも同様に発生しています。この文章も「一般には周知されていない陰謀論をあげつらう」ものですので、私自身が左派陰謀論的な心性を持っていることになります。陰謀論を陰謀論と思っていない大衆に真実を教えるという動機で書かれているわけで、さらにはこの文章が気に入らない人にとっては、分断を加速するものである感じられるでしょう。

 現段階ではプラス面の方が大きいだろうとの判断からそうしていますが、もしこれと同じ論を何度も繰り返したり、新たな左派陰謀論を探したりし始めるようだと私が陰謀論者になってしまうことになる。

 一般論としても、政治的な啓蒙言説で成功した者は、その成功を背景として同じテーマの論を繰り返さないことが重要なのかもしれません。あるいは多くの人にとって重要なのは、完全に政治的な発言から手を引くことなのかもしれません。

 もちろん、それでは独裁や圧政に声を上げることを妨げてしまうことになりますし、社会の悪に人々の目を向けさせるために必要なのは政治的発言であることは間違いありませんので、バランスの問題ではあるのですが。

 

 長い文章になりましたが、やはりこれを最後にこの件については触れない方が良さそうです。陰謀論に関係していることですので言及しましたが、あくまで陰謀論を減らすための提起であり、現在陰謀論に賛同する人を責めるものではありません。なにしろ「ネトウヨとかパヨクと誰かを切り捨てる」ことも左派陰謀論的心性を設定するとしたら指標になる事項になるでしょうから……。