久方ぶりのボードゲーム関連更新です。今回は『CAT IN THE BOX』をプレイしました。
これはいわゆるトリックテイキングと呼ばれる種類のカードゲームです。一般的にはWindowsに入っていたゲーム『ハーツ』を想像してもらえれば良いかと思います。プレイヤー全員がカードを順番に一枚ずつ出していきます。前のプレイヤーが出したトランプのスートを手札に持っていたら出さなければならず、全員が出し終わったら数字の大小を比べて場にあるカードを誰が取るか決めます。全員のカードがなくなった時点で、何回勝ったかで点数が決まる。そういうタイプのゲームです。
本作は日本産のゲームながら海外で評判とのことで、これから古典になっていく傑作でしょう。特色はタイトルにある「箱に入った猫」のフレーバーを活かした奇妙なルール。なんとカードを出すまで何色のカード(スート)かは決定していないのです!
そうシュレディンガーの猫をパロディにしているわけです。カードには数字しか書かれておらず、出したとき色を宣言することで「事象を確定」していくルールとなっています。手札にあるカードが何色なのかは出すまで自分でもわからない……。
カードがなんであるのか確定したら、共有ボードにある色と数字に自分のチップを置きます。このカードは二枚存在してはいけないことになります。個人ボードの四辺にカードを置くことで色を宣言するのですが、各色にチップが置かれていることに注目してください。なんといかなる時でも「自分はその色を持っていない!」と宣言してチップを外せるのです。自分はその後、その色のカードを出せないということになります。
中央の数字は「自分がこのゲームで何トリック取れるか」の宣言を1~3までの数字で行います。これが正解したならば、共有ボードで自分のチップが並んだ数字分の点数を追加でもらえます。
最後の特殊なルールは「パラドックス」これはいわゆるドボン、あるいはバースト。場には同じカードが存在しないという原則があり、かつ特定の色を持っていないと宣言できるということは、どこかで手札からカードが出せない瞬間がありえるわけです。そうなったプレイヤーはパラドックスを引き起こした事となり、そこでその回のゲームは強制終了! 後のプレイヤーもカードを出せないことになります。
赤は他の色にかならず勝つ色となっており、序盤で赤を宣言するとほぼ勝てるのですが、それは他の色を持っていないと宣言しなければならないことでもあり、後半にパラドックスを引き起こす確率をあげてしまう。個人では赤を出すタイミングを量りつつ、全体では他人にパラドックスを起こさせるべく相手の手札を予測し、かつ配布時と最終周回時に一枚ずつカードが除外されるので考えて宣言を行わなくてはならないと考えることが多く、まったく同じ展開になることはありません。
このように飽きることなく何回も遊べ、上手なプレイはわからないものの下手なプレイは確実にわかり、遡ってプレイを見返してみると何周回前の誰かのプレイのせいで流れが変わったか判明する……そんな熱いゲームとなっています。コンポーネントもコンパクトでルールも簡単。言語依存もボード上にはまったくないなど非常にオススメのゲームとなっております。バイナウ!