『巨神ゴーグ』THEカードゲーム

すいません、「THEカードゲーム」は勝手につけました。新スパロボの発表があった中、「こいつだって出たことあるんだぜ(だよね?)!」とばかりにゴーグのゲームを紹介します。さすがに昔すぎる&ゲーム内容により本作のレビューなんぞこれまでもこれからもネット世界に存在しないものであることは間違いないと思われます。(追記:他にもレビューがあった!)

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なんとこれはアニメ『巨神ゴーグ』放送終了直後くらいに出た大型ボックス入りのカードゲームです。下に写っているカードを見ておわかりの通り、厚紙のシートをちぎる形式のカードですね。なお、印刷はカードごとにけっこうズレており、ガン付どころの騒ぎではありません。困ったね。

ゲーム内容は二人対戦。カードで出てくる地形をゴーグが踏破していき、それをガイル軍側が邪魔するというもの。

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八十年代に非対称型ゲームとは中々やるもんだと感心します。おそらくはスティーブ・ジャクソン・ゲームズの『オーガ』を参考にしたんだと思いますが、あちらはシミュレーション・ゲームなので、カード化したことに(カード印刷技術が一般化していない時代に!)敬意を表するしかありません。システムは移動と攻撃のカードを双方が同じ山からドローすることに特徴があります。ゴーグは死なないので、戦闘結果は“後退”しかなく、ガイル軍側の勝利条件は「ゴール前に山札を尽きさせる」なのです! ガイル軍側は山札を枯らしたいのだが、そちらにリソースを割くとユニットの数が手札制限により減ってしまうというジレンマがあるわけです。ゴーグ側は逆に移動したいのだけど、ドローしまくると死が近づくというわけ。

しかし、すごいのはここまで。地形が百枚(四列なので二十五行並ぶ)、移動、攻撃のカードが百五十枚。手札はゴーグ十枚、ガイル軍十五枚……なのですが、ドローが一枚! もう一度。ドローが一枚!

なおカードの使用枚数は無制限なので、面白かったのは一ターン目のみ。その後は、お互い何もせずドロー、移動が出たときだけゴーグが歩き、ガイル軍はゴーグの場所にヘリを投下する以外にやることなし(軍が足止めになると書いていないため)! カード枚数もあいまって、ゲームが成立していません。

「な、なんじゃ、こりゃ……」とマニュアルにあったライナーノートを見ると言い訳が山のように書いてある。さらには「バランスが悪いと思ったときは枚数を調整してください」とまで。いや、テストプレイすらしてないバランスなんじゃけど……。

とはいえ、事情を推測するに、当初はバランスの良い枚数で作られたゲームだったのではないでしょうか。ところが、当時はボックスタイプで高価な商品として販売することしかできなかったため、カードを増やすことになり、泣く泣くこうなったのだろう……ということかと。

諸々残念な作品ですが、まぁ手に入れる方法はほぼないので、みなさんが被害に遭うことはないと思われます。『巨神ゴーグ』のアニメを見ることは配信サイトで可能ですが、ゴーグは岩を投げるのが主な戦闘方法なので、見せ場は岩投げ、となります。

見よう『巨神ゴーグ』!