『かってに改蔵』最終回

 死ぬほど忙しいけど、これだけ書く!
 『かってに改蔵』の最終回は「現実に帰る」オチじゃなくて、「虚構のキャラクターがきちんと虚構に帰る」オチじゃないのかと。
 普通のマンガのキャラクターは虚構に根を張っているわけです。その作品世界にきちんと実在していて、生活している。それを見て感動するのもそのためです。
 しかし、『かってに改蔵』のキャラクターは現実のほうにより深く根を張っています。虚構のキャラクターなのに、作品世界に実在はしていません。作品世界のあり方が現実とリンクしすぎているし、現実的な冷めた視点が作者に常にあるからです。
 普通のストーリーマンガで読者を感動させることができない、とは作者が延々と愚痴っていた言葉です。ギャグしか読者に受けないことは、まっとうで正統的なマンガ論を持っていた作者にとっては苦しかったのではないかと思います。
 そんなわけで、ラストでようやくマンガのキャラクターになれた二人、という話なのではないかと、個人的に考えています。だから決して「オタクは現実に帰れ」というメッセージでも、「夢オチ」でもないのです。きっと。

 いや、ホントに勝手に考えてるだけなんすけどね。なんでこんなこと書いてるんだ、俺は……。