
ご恵投くださいました加藤よしき先生の『たとえ軽トラが突っ込んでも僕たちは恋をやめない』拝読いたしました!
加藤よしき先生はXでのご活躍をワクワクしながら拝見させていただいいてた映画ライターであり、怪談の聞き手であり、タフのマネモブにして異常猿愛者、というのが私の認識でしたが、さらに重ねて全裸中年男性に並々ならぬ思い入れを持つ人物であったことを本作で知ることになりました。
「全裸中年男性」はこれまで様々に変化してきたネットミームであり、それ故に正確な姿を解説することは不可能なのですが、ここでは「解放された俺達」の姿であるとしておきましょう。あらゆる法やしがらみ、内的には照れや自尊心、弱さはおろか強さまで捨て去った嫌われるだけの存在。大抵は自我を解放して無意味な行為をした後に逮捕されるという悲しき自画像。
そこに新たなる風を持ち込んだのが加藤よしき先生でした。「やっちゃっていいんだよ……」そう囁く存在としての全裸中年男性がこの小説にはあります。他人の濡れ場はぶっ壊したい。悪人は殺したい。青春の1ページを演じていることに無自覚な若者はちょいと怪我でもしておけ……。これらの「やっちゃっていいんだよ」が詰まっています。
無論、我々弱者中年男性の自虐ではあるのです。しかし、加藤よしき先生の個性たる「おせっかい」が乗っかったとき、弱者中年男性の善性が輝き出す。俺達にはもう少しなにかができる。そういう希望が本作にはあります。
というわけで、中年男性は共感を。もちろん弱者を自認する女性も。最後に若者はまだわからんだろうからとりあえずざっと読んでから二十年後にじっくり再読、そして「ああっ!」と叫んで欲しい小説です。
発売は本日! 是非とも買ってお読みください。
