ファンタジーRPGの始祖、『D&D』の話をしております。

 
 『AD&D』の煩雑になったルールは、第二版で再びある程度シンプルにまとめられます。シンプル……とは言ったものの、オフィシャルで各クラスのサブクラスだけをまとめた本が一冊ごとに発売されたりしましたので、全体ボリュームは増えているのですが。

 『AD&D』の正式な日本語化は第二版から。それまで実は『AD&D』の日本での受容はオフィシャルとは言い難いものでした。
 記憶にあるだけでも、ファイナルファンタジーザナドゥザ・キングオブドラゴンズなどのゲームは、アイテム、モンスター、キャラクタークラス等を『D&D』及び『D&D』に拠っています。ザ・キングオブドラゴンズカプコンは後にオフィシャルのベルトスクロールアクションを作ることになります。
 
 しかし、『AD&D』は第二版途中で日本語化が停止、さらに製作のTSR社がWotC社に買収され、第三版はそちらで発売されることになり、『AD&D』は『D&D』へ統合、ただし『D&D第三版』と名付けられることになります。
 
 第三版、第四版は私が未プレイ(ルールを読んでいるだけ!)のため、思い出などはないのですが、RPGにつきもの、というよりは『D&D』につきものの「ロールプレイとバトルゲームの間で揺れた作品」とは言えるでしょう。
 20面体サイコロを振るだけ、つまり5%刻みの成功判定をするだけの戦闘なのに、キャラクタークラスや魔法がTCGのコンボのごとくに組み合わされて効果が発揮されていく様は魅力的すぎ、さらにはミニチュアゲームとしての面白さも相まって、「戦闘が盛り上がるにはロールプレイ部分が必要だが、ロールプレイで戦闘を左右されたくない」という悩みがずっとあったのです。
 第四版は、これらの問題を「がっつりウォーゲーム化する」ことで解決した作品であり、イベントをすべて「遭遇」というくくりにしたことで、まるでPCゲームのようにゲームを進めることが可能になったのです。これによりロールプレイとしてのリソースを注ぎ込む瞬間が明確になり、プレイヤーはストレスなくゲームを楽しめるようになりました。例えば「水を浄化する呪文」などはそれが必要なときに使えるようになり、それを戦闘呪文スロットを圧迫するようなことがなくなったわけです。
 しかし、ウォーゲームのような戦闘は複雑化し、準備を含むプレイの時間は長くなりがちでした。
 
 さて、いよいよ第五版。
 五版はそれら前作を踏まえ、「呪文、および特殊能力がカード化可能なほどシステマチックに!」「判定はすべて能力値由来の修正値でd20!」「武器の拡張が簡単に可能!」「キャラクタークラス+人物像でロールプレイの方向性も示唆!」などいいことずくめとなっております。
 
 そのプレイがどんなものになるかと、私推奨のプレイ方法は、また次回!