『道化か毒か錬金術』への道。その四(休養と自覚編)

そんなわけで休養となったわけですが、休養と前後して『十六夜聖域』『戦国コレクション』の仕事をしております。


十六夜聖域』については「一ヶ月以内に続きを書けば増刷」というところを私が拒否する結果となってしまいました。この件については皆様にも申し訳ない。そんなわけで、現在、私は富士見書房様では担当がいない形になっています。電子書籍化する流れが完成する以前に出版した拙作タイトルが電子書籍化していないのは、おそらくこのためです。


戦国コレクション』については初の脚本のお仕事であり、小説が中断しているということから、水城正太郎名でなく金澤慎太郎名を使用しています。ふざけて名前を変えたわけじゃないのです(強調しておきたかった!)。こちらも最後までできるか不安でしたが、周囲に甘えまくって完遂できたことはありがたかったです。


さて、ここで記しておくべきなのは「この病気、治るわけじゃない」というところでしょう。『いちばんうしろの大魔王』十三巻まで二年、その後は四年! そのくらい治療しても気力がもとに戻ることはありません。もっとも私の場合は子供の時からの気質もあるのですが、自律神経系の不調は生活態度をきっちりしても治る気配はゼロです。やはり身体は壊さないことが大事なのです。具体的には一週間から二週間で文庫本一冊分を書くようなことを繰り返してはならない……。


休養中も、note、カクヨム、なろうにて自主的に作品は書いていました。これは商業では出ないであろうものを書き溜めていましたが、大反響というわけでもなく、また評価が低いでもなく、という状態に落ち着きます。しかし、これらを書くことはそれほど難しい作業ではありませんでした。体調が微妙にもかかわらず、書くことはできたのです。


新しい仕事とこれまでの反省、さらに自由に書いてみた結果として技術の上昇が確認できたことから、私は「なるほど、自発的暴走も暴走は暴走なのだな……」と学ぶことになります。コツコツした作業が嫌いで、新規&新奇なものだけやりたくて、ツッコミが欲しいが故にその場にふさわしくないことをあえてやる……そういう性格の人間が真逆のことをウケるためにやりつつ、性格も前面に押し出すというのは暴走だったわけです。
もちろん、これは『いちばんうしろの大魔王』を嫌々書いていた、ということではありません。次回、内容について少し触れることにします。当然のことながら気に入っている作品であり、暴走も病状も感じられる一品となっておりますので……。